【読んだ】佐藤可士和の 新しい ルール づくり(佐藤可士和・斎藤孝)
セブンイレブンやユニクロのデザインで著名な佐藤可士和氏と、斎藤孝先生の対談本。
タイトルは佐藤可士和さんメインの本ですが、実質二人で意見を言い合う対談本。
デザインを、意匠の制作といった意味ではなく、もっと大きな意味合いで捉えたうえで、既存の概念にとらわれない様々な思考のプロセスについて語り合う。
二人でいろいろ言い合う対談形式なので、若干整理しきれていない(あるいは自分の理解レベルではまだ十分捉えきれない)面はあるが、良い刺激になった。
以下、気に入った箇所のメモたち。
自分の「好き」を言語化する
自分が「好きだな」と直感で感じたもの、デザインを「ナゼ好きなのか」とロジカルに分析する訓練が大事。
自分が、あるいはクライアントやユーザーが、「どのようなルールで構成されたものが好きなのか」が説明できるようになると強いということか。
佐藤可士和氏はクライアントとのやりとりも、すべては先方の直感的な考えやイメージを言語化するために行う。←確かに、ここの共有がうまくいくと、制作物の仕上がりも格段に違う。日ごろから訓練せねばならぬ。
当たり前を疑う
よくある、やれって言われてもそう簡単にはできたら苦労しないやつ。できたいけど。
- ・従来のクルマの訴求イメージは「カッコイイもの」→楽しくワクワク感のある世界を前面に打ち出す(ステップワゴン)
- ・街そのものや、コンビニの棚をメディアととらえる
など。
一個の提案の下に50個のアイデアがある
職人として考えるとやらねばなー、と思う反面、それだけの工数をかけると相当なお値段になるよな、とも思うジレンマ。
それだけの工数(コスト)をかける価値があると認められる実績と自信を積み重ねなければならんやつ。
自分のスタイルをつくる…スタイルを関数ととらえる
y=f(x)
に対する関数fが決まると、変数xがデザインだろうが何だろうが、自分のスタイルのものになる、という考え方。桑田佳祐に何を歌わせても桑田佳祐になるみたいなイメージか。
これは斎藤先生のアイデアだが、大変分かりやすくて納得がいった。佐藤可士和氏のデザインも、何をやらせてもなんとなく「佐藤可士和スタイルだな」と思わせるものになるけど、その「佐藤可士和スタイル」は、本人の中ではきちんと言語化され、関数として具体的に理解できているので何をやらせても同じスタイルが再現できる。
以上、メモ。他にも組織を率いる視点で役立つ考えなんかも沢山あったが、個人でやってると実感がないから入ってこないだなー。そのあたりは、いつかもし規模を大きくするに至ったなら、また読み返してみよう。